彼の地を後にする、最後の晩

強風吹きすさぶ中やっとの思いでグレイハウンドのバスステーションから徒歩でホテルに戻ったあたしは、部屋で一息付く間もなく階下へ降りて行く

最後の夜をロビーにある思い出のホテルのバーで過ごしたくてカウンターに座ると、今夜は終わりだって残念そうな顔してると、隣のバーはやってるわよって

で、その隣の建物の大きなスポーツバーで一人で飲みましたそれまでの出来事を回想するように、自分なりに振り返りたくて

生ビールが旨かったなぁ

ピッツバーグ
パスポート紛失のおかげで合計6泊8日を過ごしたこの街とも、本当のお別れの時が迫ってた

思い返せば楽しい思い出ばっかりだなぁそして有意義な日々だった

振り返りながら携帯に、誰にも見せない秘密の日記を書き込んでいると書いてる間に生ビール3杯も飲んじゃいました

で4杯目頼んだら、バーテンダーがこれは俺の奢りだって

あたしどんな風に映ってたんだろう

さっきから、ビリヤードをやってるおじさんが、無言で携帯をいじってるあたしを気にして…

自分に「Hi!」って言ってくれって、近づいて来るのあたしが元気に「Hi!」って返してあげると笑顔で親指を立ててGOOD!って

何度も何度も話かけてきた元気出せって事なんだろうなそんなに感傷的な顔してたかなぁ

ピッツバーグ
最後の晩に思い知ったここにはいい人が沢山居るらしい
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